大きさで癌が決まる大腸カルチノイドの人工肛門を回避
70歳の男性です。
強度の便秘症のため、大腸内視鏡検査ＣＦを受けました。
3.5センチ大の腫瘍が見つかり、大腸カルチノイドと診断されました。
医師からは手術を勧められ、「人工肛門を増設するかどうかは半々で、開けてみなければわからない」と言われました。
癌ではなく、カルチノイドなのに人工肛門を作らなければならないような大きな手術になるのでしょうか？
カルチノイドのことを「がんもどき」といいますが、どういう病気なのですか？
手術以外に治療法はないのでしょうか？
カルチノイドは通常の大腸がんと比べると、ずっと頻度の少ないものです。
「がんもどき」と訳されていますが、悪性腫瘍という意味では全くがんと同じで、がんの一種なのです。
５ミリ、６ミリのカルチノイドはほとんどが良性として扱われますが、
（ちいさければがんもどきですが）、あなたのように3.5センチあれば、転移する可能性のある立派な悪性腫瘍です。
癌と同じように手術で取らなければ、いずれは転移して命に関わります。
一般に腫瘍が１センチを超えると、リンパ節転移、２センチを超えると肝臓や肺への転移の頻度が高くなります。
手術以外に根治を望める治療（薬物治療など）はありません。
手術を行えば根治の見込みは十分にあります。
人工肛門を作らなければならない？
カルチノイドのできる場所はほとんどが直腸ですが、技術があれば肛門は残せると思います。
肛門温存については病院によってレベルが異なります。
一般に、大腸専門家がいる病院へ行けば多くの場合、永久人工肛門は回避できます。
近年は多くの病院で直腸の悪性腫瘍も腹腔鏡手術が可能となっています。
セカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
やはり有名な専門病院かそうでないかで、予後の過ごし方が変わります。
とはいえ、専門病院を探せない人、そういう選択肢を知らなかった人は、古い治療を受け、有名病院で受けると新しい治療を受けるという、差も出て来るんだと思います。
日本は優秀な医療を低価格で受けられる国ですが、やはり情報格差というものは存在します。
全ての人が優秀な医療を受けると、逆に受けたい人が受けれなくなると思います。
自分、家族の病気を理解し、行動力を発揮することが大事です。
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